コスパタイパくるりんパッ
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キャバクラの同伴ほど、
馬鹿馬鹿しいものはないと思っていた。
けれど、そう決めつけるのも、
どこか違う気がした。
何事も、一度くらいは経験してみなければ、
本当のところはわからない。
過去に一度だけ、ラーメン屋で同伴をしたことがある。
今になって思えば、
ラーメン屋同伴を受け入れた私は、
間抜けだったのだと思う。
なにしろ、ラーメンを食べるだけなのに、
一時間半もどうやって間を持たせようかと、
そんなことを考えていていた。
ところが、終わってみれば、
わずか三十分だった。
「ラーメンが伸びちゃうから」
「もうお腹がいっぱいで食べられないよ」
こちらは一時間半をどうするか考えていたのに、
向こうはラーメン一杯のことしか考えていなかったらしい。
それまでにも他の子と、何度か同伴はあったが、
こんなに早く終わったことはなかった。
だから勝手に、
今回も同じようなものだと思っていたのだろう。
テキはウワテだった。
考えてみれば、
こういうことになるのも自分の甘さだったのだろう。
少しばかり経験を積むと、
それだけで相手のことまで
わかったような気になる。
ラーメンは伸びなかった。
時間も。
考えすぎていたのは、
どうやら私のほうだった。
それなのに私は、入店後、
「たった三十分かよー」
と、ぶつぶつ言っていた。
その子は、嫌な顔をした。
同伴については、
ほかにもいろいろと苦々しい思い出がある。
けれど、今になって振り返ると、
あのラーメン屋での三十分は、
妙に印象に残っている。
コスパとかタイパとか、
そんな言葉が当たり前のように使われる時代になった。
ラーメン一杯で三十分。
一時間半を予定していた私のほうが、
よほど時間を使い損ねている。
そう考えれば、
あれは案外、コスパもタイパもよかったのかもしれない。
これも経験である。
コスパ。
タイパ。
考えすぎると、
結局こうなる。
くるりんパッ。
ラベル: 長い文章

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